小児歯科
むし歯予防・歯並びを悪くしないために
歯並びを悪くする要因となる、日々の生活習慣の改善も大切です
歯並びや噛み合わせが悪くなってしまう原因は、遺伝だけではなく、生活習慣や噛むときの癖、舌癖なども大きく関係しています。
小さいころから、この生活習慣や癖を直していくことで、歯並びや噛み合わせが悪くなりにくい状態にすることができます。
歯並びや噛み合わせを悪くする生活習慣の例
- 口呼吸の癖がある(口を開けていることが多い)
- 舌癖がある
- 口を開けて、音を立てて食べる
- 唇を咬む癖がある
- 硬い食べ物をあまり食べようとしない
- ほおづえを付きながら食事をする
- あまりよく噛まないで飲み込んでしまう
- 食べこぼしてしまうことが多い
- 姿勢が猫背
- 指しゃぶりをしている
舌癖とは、安静時や食べ物を飲み込むときに、舌を上下の歯の間にはさんでいたり、舌で上下のどこかの歯を押しつけたりする癖のことです。
舌癖のある人は、舌で歯を押している状態が続くことで、歯と歯のすき間が開いてきたり、噛んだ時に上下の歯の間が空いて、噛み合わせが悪くなることがあります。
むし歯や歯並びだけではない、口呼吸が及ぼす悪影響
口呼吸は万病の元!!
悪い舌癖を誘発させ、歯並びに悪影響が出ます。
さらに口呼吸をすると口の中が乾燥します。
歯は唾液によって常にミネラルを供給されて、初期虫歯を修復しているので、唾液に触れていない歯は乾燥して、ミネラルが供給されず、虫歯になりやすくなります。
また、鼻で呼吸する場合、ウィルスやホコリをシャットアウトして喉の乾燥を防いでくれるのですが、口呼吸は直でウィルスやホコリが体内に侵入してくる可能性が高くなってしまいます。
歯が生える前から受診できます
小さなお子様がいらっしゃる患者様より、「ウチの子はいつから小児歯科へ行ったらいいのでしょう?」「小児歯科は何歳からなんでしょうか?」などといった質問をよくされます。歯が生えてきたら?むし歯ができたら?永久歯が生えてきたら?と疑問に思われるかたが多いと思います。
実は、歯が生える前から、当院では受診をお勧めします。
なぜなら、授乳期から良い歯並びにするための土台作りははじまっています。
授乳は赤ちゃんにとって全身運動で、正しい咀嚼嚥下の学習の第一歩だからです。
授乳期〜離乳食と歯並びの関係
離乳食は初期・中期・後期と食べ物の固さを段階的に上げていくのが理想です。
- 授乳期
-
滑らかにすり潰した状態
初期 -
上あごに食べ物を舌で押し付け、つぶせる固さ
中期 -
歯ぐきや歯で潰せる固さ
後期
この中で、初期の後に中期を飛ばして、後期の固さにしてしまうことが多い印象です。
中期というのは、食べ物を舌を使って上あごに押し付けるようにして、食べる方法になりますが、この時の舌の使い方が、キレイな歯並びを作るための重要な訓練になります。
いい歯並びは、上手な舌ベロの使い方が重要なカギになるので、生後半年から小児歯科を受診し、舌ベロを上手に使って食事ができるかを確認することをお勧めするのです。
綺麗な歯並びを目指すためのトレーニング
乳歯が抜けた際にもうすでに後ろから大人の歯が生えていたということが続くと、歯並びが悪くなってしまい、もう矯正をしなければ治らないのでは?と心配になる方もいるかもしれません。
ただ、お子様の場合、矯正をしなくても正しく噛む訓練によって、歯並びを修正することは可能です。
野菜スティックでトレーニング
例えば、野菜スティックでもトレーニングが可能です。
- 前歯で野菜スティックを噛みきる
- 舌を使って、奥歯へ食べ物を送る
- 下あごを上下に動かし、ポリポリと野菜を噛む
- 野菜を奥歯にとどまらせるよう、舌を動かす
- 野菜が小さくなってきたら、下あごを横に動かし、野菜をすり潰すようにしながら食べる
このような正しい嚙み方を訓練することで、自然と顎が発達し、歯並びも修正されます。
お子様の顎の発達の為にも、野菜は細かく切りすぎず、手を抜いて、噛まないと呑み込めない環境づくりをしましょう。
当院では、お子様の歯の状態を見て、このようなトレーニングもご説明しております。